犬のてんかん
こんにちは。大安寺どうぶつ霊園スタッフ担当者の郁美です。
各地で紫陽花が綺麗な季節になりました。
梅雨の時期は、湿気が高くジメジメしていますが、
紫陽花が一生懸命咲いている姿に元気をもらえますね。
今回は、犬のてんかんについてお話しします。
先日、愛犬が突然発作を起こしました。
今年で4歳になりますが、今まで病気にかかる事なく健康に過ごしていました。
発作が起きた日も、普段通り変わりなく元気に過ごしていました。
愛犬の突然の発作にとても動揺しましたが、私は犬のてんかんの症状を知っていたので、
「てんかん発作かもしれない。」と思い動物病院へ行きました。
獣医さんからは、てんかんの可能性が高い事・短期間でまた発作が起こる可能性がある事、
次に発作が起きた時は、動画で撮影したものを動物病院へ持って行く事、
一度の発作では判断が難しい為、二度目の発作が起きた時に全身麻酔をして検査をする事、
一度の発作後発症しない子もいる事などを聞きました。
愛犬は、動物病院へ向かっている時に発作が治まり、その後嘔吐をしました。
動物病院へ着いた時には、普段に近い状態でした。
その後今日まで発作を起こす事なく過ごしています。
私は犬のてんかんを知っていながらも愛犬の突然の発作に動揺してしまいました。
愛犬を励ましながらも、愛犬の見たことがない姿に不安でいっぱいでした。
元気に過ごしてくれる事が一番ですが、
自身の経験を生かし多くのご家族様に犬のてんかんについてお伝えしたいと思いました。
目次
- 犬のてんかんとは
- 原因
- 発作の前兆
- 症状
- 発症した時の対処法
- 治療法
- まとめ
犬のてんかんとは
脳は信号やシグナルを送ることで体を動かしています。
その信号に何らかの故障が起こると体が痙攣や震え、意識障害などを起こします。
脳における電気信号の異常がてんかんの原因です。
犬のてんかんの症状は、一時的なものと連続して起こるものに分けられます。
発作の頻度は、犬によって様々で毎日起こす子もいれば、一年に一回の頻度の子もいます。
てんかんは、犬種に限らずどの犬でも発症する可能性があります。
犬はてんかんを発症しやすい動物で100頭に1~2頭が発症すると言われています。
原因
てんかん発作の原因は、二つに分けられます。
特発性(原発性)てんかん
「特発性」とは、原因が分からないという意味です。
遺伝子が関係していると考えられていて、
親犬など家系の病歴を調べることが唯一の方法になります。
遺伝が原因のてんかんの傾向としては、
生後10ヶ月~3歳の間にてんかんの症状が出ることが多いと言われています。
犬のてんかんの多くは、特発性てんかんです。
特にダックス・プードル・ビーグル・レトリバー・シェルティー・シェパード
ハスキー・テリアは特発性てんかんの遺伝的な要素を持っていることが知られています。
その中でもここ数年で、ダックスのてんかんが増加しています。
二次性(症候性)てんかん
交通事故などの外傷による後遺症や脳腫瘍、脳炎など
電気信号を引き起こす腫瘍などの原因があるてんかんのことを言います。
老犬の場合、
てんかんの要因となっている病気が進行していることも考えられるので注意が必要です。
発作の前兆
犬がてんかんを発症する前の特徴的な行動があると言われています。
- 落ち着きがなく不安そう
- よだれが出る
- 意識を失う
- 目の視点が定まっていない
- 口をクチャクチャさせる
- そばから離れない
- 水をよく飲む
- 物の陰に隠れる
症状
全般発作
脳全体が興奮する状態になり、全身性の発作が見られます。
意識がほとんどなく、全身が激しく痙攣させ、眼の瞳孔は開き、
失禁したり脱糞したり、口から泡をふいたりします。
数分から2~3分間で落ち着き、しばらくもうろうとした後に
ケロッと普通の状態に戻ることが多く見られます。
重度の場合は、短い間隔で何度の繰り返す場合があります。
部分発作
脳の一部だけが興奮した状態です。
興奮した一部の脳と関係する体の一部分が発作を起こすため、
意識が残っていて体の一部が痙攣します。
意識に関係する脳が興奮すると呼びかけても反応がなく、
咀嚼(そしゃく)運動や大量のよだれ、瞳孔が開く、顔面痙攣を起こします。
発症した時の対処法
突然の発作に驚かれる方が多いですが、
まずは飼い主様が落ち着いて愛犬の発作が落ち着くのを注意深く見守りましょう。
てんかん発作で亡くなることはほとんどありません。
てんかんで亡くなる例は、
発作が止まらなくなり数時間痙攣をし続ける様な状態がほとんどです。
多くは1分以内で、長いものでも3分と続かずに治まります。
愛犬の近くに危ないものはないか、
あるいは落下する場所ではないかを確認し、安全を確保しましょう。
そして、動物病院で詳しく説明が出来る様に動画やメモをとるといいでしょう。
どのような症状で、どのくらいの時間続き、前兆の症状は何かあったか、
何か食べたものはないかなど、情報は多い方がいいでしょう。
治療法
特発性(原発性)てんかん
抗てんかん薬による薬物治療を行い、効果がない場合は薬を変更します。
二次性(症候性)てんかん
てんかんを起こす原因となる病気を治療して、
てんかんを治していくことが必要になります。
まとめ
いかがでしたか?
てんかんは治療しても完治することが少ない病気です。
てんかんを発症したらいつどこで発作が起きてもいいように、
生活スタイルを改める必要があります。
例えば、家の中でしたら発作が起きた時にぶつからない様に
届くところに物を置かない事・家具にクッションを当て怪我を防止する事、
愛犬の観察を出来るように長めのお留守番は避ける
もしくはドックカメラを設置するなど工夫しましょう。
遊びでは、水遊びをしている時にてんかんを発症してしまうと危険なため、
発症しても大丈夫な場所で遊ばせるなど改善しましょう。
愛犬の突然の発作はとても驚いてしまいますが、
愛犬が頼れるのも安心できるのも、ご家族様が一番の存在です。
愛犬の傍で優しく慌てずに見守ってあげましょう。