狂犬病について
こんにちは。大安寺どうぶつ霊園スタッフ担当者の郁美です。
今日は各地で20度をこえる初夏の陽気ですね。
これからの季節しっかり水分補給をして、飼い主様もわんちゃんも
熱中症にならないようにお体に気を付けてお過ごし下さい。
今回は、狂犬病についてお話しします。
目次
- 狂犬病とは
- 狂犬病の症状
- 狂犬病予防法注射の義務化
- 狂犬病の予防接種方法
狂犬病とは
狂犬病ウイルスによって起こり、感染した犬やその他の動物が
人を含めた全ての温血動物を噛むことで起こる病気です。
人の筋肉などで増殖し、狂犬病ウイルスが脳まで移行します。
日本では予防法により1957年以降国内での発生はありませんが、
インドや中国などの海外では、まだ注意が必要で発症すると
致死率100%死に至る恐ろしい病気です。
致死率が高い理由は、有効な治療法が未だに確立されてないからです。
エボラ出血熱は、高い致死率で知られていますが致死率80%と言われています。
エボラ出血熱の致死率と比べるとより狂犬病は恐ろしく、
改めて狂犬病の予防接種の大切さを感じます。
狂犬病の症状
人間が狂犬病に感染すると、
発症までの潜伏期間は、1ヶ月から3ヶ月と言われています。
しかし、短い場合は数日、長い場合は数年というケースもあります。
狂犬病の初期症状は、発熱・頭痛・筋肉痛・悪寒といった風邪のような症状です。
多くのケースが、数日から1週間程度風邪のような症状が続きます。
やがて風邪のような症状に引き続き、狂犬病の特徴的な症状が起こります。
狂犬病の特徴的な症状
- 興奮
- 意識障害
- 錯乱
- 幻覚
- 恐水病(水を飲むことを恐がる・水が恐くて手が洗えないなど)
- 恐風症(空調の風を恐れるなど)
そして、全身の麻痺や痙攣、不整脈などが起こり、
全身の臓器に障害が起こり死に至ります。
狂犬病予防注射の義務化
日本では、致死率が高い狂犬病から人の命を守るために、
1950年に狂犬病予防法が施行され、
毎年1回狂犬病予防注射を受けることが義務付けられています。
狂犬病予防法の第5条には、
「犬の所有者(所有者以外の者が管理する場合には、その者。以下同じ。)は、
その犬について、厚生労働省令の定めるところにより、狂犬病の予防注射を
毎年1回受けさせなければならない。」と記されています。
また、狂犬病の予防注射を受けていない犬・登録をされていない犬は、
捕獲や抑留の対象となり、飼い主様は20万円以下の罰金を支払わなければいけません。
日本は狂犬病予防法の施行により、7年で狂犬病を撲滅することが出来ました。
狂犬病の予防接種方法
- 接種時期
犬の登録をしていると毎年春に市区町村から、
「狂犬病予防注射済票交付申請書」が届きます。
生後91日以上の子犬であれば狂犬病予防法によって、
予防接種を受けて注射済票の交付を受けなければなりません。
- 接種場所
お住いの市区町村が行う集団接種で受けることができます。
公民館や公園が接種場所になっていて都合がつかない場合は、
他の地区でも受けることができます。
コロナ感染の影響で中止となる場合がありますので、
ホームページ等で確認してから行くといいでしょう。
また、動物病院でも接種することができます。
- 接種費用
自治体によって異なりますが3000円程度で受けることができます。
動物病院で受ける場合には、
自由診療なので費用等予め病院に確認してから行くといいでしょう。
いかがでしたか?
日本では狂犬病予防法が施行されましたが予防接種率は低下傾向にあります。
平成5年には、全国の登録犬の99%が狂犬病の予防接種を受けていました。
平成26年では、71%にまで減少しています。
「狂犬病は危険」という認識が薄れてしまい「過去の病気」と言われるまでになりました。
海外では、今も現在進行形の恐ろしい病気です。
日本での発症は何十年もない狂犬病ですが、
私たち人間の命や大切な愛犬の命を守れるのは予防注射です。
改めて狂犬病の恐ろしさを知り、予防注射の大切さを知っていただきたいです。