犬の耳について
こんにちは。大安寺どうぶつ霊園スタッフ担当者の郁美です。
前回の記事では、犬の鼻や目についてお話ししましたので、
今回は、犬の耳についてお話します。
目次
- 犬の耳の仕組み
- 犬の可聴域
- 犬の音源定位能力
- 犬は人間の言葉を聞きとれる?
- 犬の聴力低下の要因
犬の耳の仕組み
犬の耳は、人間と同じで音を感知する感覚や平衡感覚を持っています。
犬と人間の耳の違いは、外耳道と呼ばれる器官です。
人間の外耳道は平行ですが、犬の場合はL字型になっているので、
通気しにくい構造で特にたれ耳の犬は、
耳の中に湿気がこもりやすく炎症を起こしやすいと言われています。
犬の可聴域
聞き取れる音の領域を可聴域と言います。
人間の可聴域は、20~20.000ヘルツと言われているのに対し、
犬の可聴域は、40~65.000ヘルツあると言われています。
下限は人間とそれほどは違いありませんが、上限が大きく異なります。
そして、犬の可聴域の中でも聞き取り能力が優れている区間があります。
それは、3.000~12.000ヘルツの間です。
聞き取り能力が優れている3.000~12.000ヘルツの区間では、
小動物の発する甲高い鳴き声をいちはやく察知することができます。
犬の可聴域は、野生環境で獲物の居場所を素早く発見するために、
発達したと考えられています。
聞き取り能力が優れていて役立つ反面、人間と暮らすようになり、
掃除機やドライヤー、芝刈り機や電動工具などの高い音に対して、
強く不快に感じてしまう原因になっています。
愛犬が不快に感じているようでしたら、使うときはなるべく
愛犬から離れた場所で使うと負担を減らしストレスになりにくいでしょう。
犬の音源定位能力
音の来る方向を聴き定める能力のことを音源定位能力と言います。
人間の音源定位能力は、角度にして1度程度の精度で、
音の方向を識別できると言われているのに対し、
犬は、約8度と言われています。
また、馬や牛の音源定位能力は、20~30度と言われています。
この能力に関しては、人間の方が優れていることが分かります。
犬は、たまに首をかしげる仕草をしますが、
これは右と左の耳の位置を変えることで正確に音源を探ろうとしています。
野生環境では、生き延びるために、
敵や獲物の位置を音から瞬時に把握することが大事なので、
音源定位能力が自然と発達したのでしょう。
犬は人間の声を聞きとれる?
犬は人間の声の、子音よりも母音の方が聞き取りやすいと言われています。
犬は聞き取りやすい母音で理解していることが多いので、
「まて」は「あえ」と聞こえているようです。
また、「さんぽ」「ごはん」「まて」「ふせ」「おしまい」などの単語は、
聞き取りやすいため反応が早く、伝えた通りに行動することが多いようです。
しかし「座れ」は、犬にとっては「うあえ」と聞こえ、
「ふせ」は、「うえ」と聞こえているので似た単語だと思い、
間違えて「座れ」の指示に「ふせ」をしてしまうことがあるようです。
犬の聴力低下の要因
老化
人間と同じで加齢に伴い、耳小骨の動きが悪くなると聴力が低下します。
感染症
外耳炎・中耳炎・内耳炎などの感染症になると、
鼓膜を始めとする耳内部の組織や細胞を破壊し、聴力が低下することがあります。
化学物質
洗剤や接着剤、シンナーなどを鼻から吸い込いこむことや、
皮膚に直接ついて犬の体内に取り込まれると、聴力が落ちてしまうことがあります。
音響外傷
大きな音を聞き続けていると、
内耳の中で音の伝達に関わっている有毛細胞が損傷を受けて聴力が低下します。
いかかでしたか?
愛犬と生活をしていると、
私たち人間には聞こえない音を聞き取っていることが分かります。
犬は、可聴域が広く、高い音はより聞こえます。
飼い主様たちの会話を理解しようと聞いている子もいるそうですよ。
犬は感情を耳でも表現しているので、
耳の動きにも注目するとより愛犬のことが分かりますよ。